親や祖父母などから資金援助してもらい住居を入手する際は、非課税とする優遇制度を活用することが重要です。
本稿では、その優遇制度の基礎と、贈与の実施・居住開始・贈与税申告のタイミングやポイントについて説明します。
住宅取得等のための資金贈与についての非課税の特例とは
住宅取得等のための非課税の特例は、親から子へ、あるいは祖父母から孫へ、住宅購入や改築のための資金を生前贈与する際に利用可能な特例で、最大1,000万円までの贈与税が非課税になります(令和4年1月1日から令和5年12月末までの間に新築等の取得をした場合で、省エネ等住宅の場合1,000万円まで、それ以外の場合500万円まで)。
非課税特例を利用する際のポイント
住宅取得のための資金贈与の非課税特例を活用する場合、「贈与」「居住開始」「書類提出」の3つのタイミングに特に注意が必要です。
いつ贈与を受けるべきなのか、いつ入居すべきなのか、書類の提出期限はいつなのかを正しく理解し、以下のポイントに注意しましょう。
贈与を受けるタイミング
住宅取得のための資金贈与の非課税特例において、まず考えるべきは「贈与を受けるタイミング」です。
特例を活用する場合、贈与を受けるのは居住開始前でなければなりません。
居住開始後に資金贈与を受けてしまうと、特例の適用はできません。
さらに、この特例を使うためには、贈与を受けた年の翌年の3月15日までに新居への居住を開始する必要があります。
特に新築であれば、土地の頭金や工事契約の手付金などで早くから贈与を受けたい場合が多く見られます。
その場合、居住開始が翌年の3月15日までに可能かどうか、事前にしっかりと確認する必要があります。
居住開始のタイミング
上述のとおり、原則として贈与を受けた年の翌年3月15日までに新居に居住を開始する必要がありますが、実際のところは、住宅を取得してすぐに居住を開始できるわけではありません。
新築やリノベーション工事が遅れることもあれば、中古住宅の場合、子どもの学校や職場の事情などで引越しが遅れることもあるでしょう。
居住開始が翌年の3月15日までに可能かどうか確信が持てない場合、年の終わりではなく新年に贈与を受け、なるべく居住開始直前に贈与を受けることを検討することになります。
必要書類の提出タイミング
非課税特例を活用するには、居住地を管轄する税務署へ贈与税申告書などの必要書類を提出しなければなりません。
特例を使って全額非課税になったとしても、申告手続きは必要です。
書類提出の期限は居住開始のタイミングと同様、贈与を受けた年の翌年3月15日までです。
郵送で提出する場合、消印の日付が提出日です。
また、提出のタイミングで、贈与により取得した資金はすべて使い切る必要があります。
余った資金がある場合や、期限内に住宅を取得できなかった場合、その部分は贈与税の課税対象となりますので注意が必要です。
相続対策はやざわ会計におまかせください
住宅取得資金の非課税特例はタイミングが重要な制度であり、いつ贈与を受け、いつ新居に居住開始すべきか、そしていつ必要な書類を提出するべきか、これらを正しく理解し適切な計画を立てることが必要です。
大切な家族からの贈与を最大限に活用することで、住宅取得をスムーズに進めることが可能となるでしょう。
住宅取得のための資金贈与について何か疑問や不明点があれば、まずは専門家に相談することをおすすめします。
やざわ会計では、相続対策についてのご相談を承っております。
お困りの方は一度ご相談ください。
やざわ会計(東京都/中央区)|タイミングが重要な住宅取得資金贈与|ポイントを解説